ライブコマースで詐欺が起こっている?中国の事例から今後に生かそう

中国を中心に急速に拡大しているライブコマースは、日本でも少しずつ浸透してきています。しかし、買うものを直接見ることができない、個人でもライブコマースで販売できるなどという点から、詐欺に巻き込まれる恐れがあるのではないか、と思う人もいるでしょう。

この記事では、ライブコマースで実際に起きた詐欺について事例を挙げ、その対策について解説していきます。

中国での詐欺の事例

中国ではライブコマースが急速に広がりを見せ、あらゆるものがライブコマースで購入できるようになっています。金融商品もその一つですが、特有のリスクがあるとして、2020年10月に「金融ライブコマースのリスクを予防するための提示」という通知が出されました。

その内容は主に2つです。ひとつは、販売主体が不透明であることです。ライブコマースのプラットフォームでアカウントを新設する際は、運営側のチェックや制限が入るものです。しかしそれが甘く、販売するのに資格の必要な金融商品を無資格者が販売したり、「IT企業」等を自称する悪徳業者が投資を勧誘する形でお金を出させる詐欺が横行しました。そのため、金融商品のライブコマースについて消費者に注意を喚起しました。

もうひとつは、ライブコマースの売り方は消費者に対して扇動的になりやすく、誤解を招く可能性があることです。消費者は配信を視聴しながらリアルタイムで購入ができるため、インフルエンサーの話し方や売り方に煽られて衝動的な購入をしやすくなります。つまり、商品のことを完全に理解していなかったり、矛盾に気づけなかったりする状態で購入してしまうこともあるのです。

また、中国の多くの銀行も営業にライブコマースやショート動画を用いています。コロナ禍で対面販売の機会が減ったためこれらの手法を使った営業が増えていますが、一方で誇張した宣伝や説明不足など不適切な営業も増えています。

そのほかにも、インフルエンサーの実績をかさ増しするために「サクラ」を雇って商品の購入をさせ、のちに大量の返品を行うという、販売者側を狙った事例も起きています。

日本における現状

日本ではまだ浸透していないためか、ライブコマースを利用した詐欺の事例はあまり耳にしません。しかし、コロナ禍での需要の高まりやアプリの開発によって、今後ライブコマースは日本においても身近なものになっていくと考えられます。中国の事例から学ぶことは多いでしょう。

詐欺の被害に遭わない・遭わせないためには

どんなことにも、悪用して儲けようと考える輩はいるものです。詐欺に遭わないようにリスナー側で気を付けるべきことには、どんなことがあるでしょうか。また、詐欺だと受け取られないように、ライバー側が注意すべき点も紹介します。

リスナーは納得して購入するために冷静な判断を

まずリスナーは、ライブコマースで購入するリスクを認識しておくことが大切です。いくらライブ配信で商品を見られるといっても、実物を直接見られるわけではありません。質問や疑問があれば、納得するまで聞いてみましょう。ライバーとリスナー双方が納得して取引をすることで、お互いに信頼が芽生えます。

金融商品のように目に見えない「コト」の商品であれば、納得した上での購入がなおさら大切です。ライブコマースでは、占いやカウンセリングなど、画面越しでもできることも商品としやすいものです。ライバーもリスナーも、気軽に出品・購入ができてしまう反面、商品や相手をじっくりと見極めることが必要です。

また、ライブ配信に慣れているライバーは、話し方や説明の仕方、見せ方にも長けているものです。衝動的に購入したくなる場合もあるかもしれませんが、一度冷静に考えてから購入するようにしましょう。

ライバーは正確に伝える工夫を

ライバーも、商品をリスナーに見てもらい、メリットやデメリットを開示したうえで、納得したうえで購入してもらうことが大切です。目に見えない商品を販売するときは特に丁寧に説明し、リスナーが商品内容を正確に理解できるよう工夫する必要があります。ライバー側に詐欺のつもりがなくても、不都合な点を意図的に隠して販売すれば、リスナーから訴えられる可能性はあるのです。

商品のデメリットや弱みを伝えることに抵抗のある方も多いかもしれません。しかし、それらを隠して販売することはできても、後々クレームやトラブルになりかねません。また、良くない点を正直に伝えることで、「この人は信用できる」と感じてもらうこともできるでしょう。また、デメリットや弱みも、伝え方ひとつで与える印象はまったく違ったものになります。マイナスと捉えがちな点も、表現を工夫してうまく伝えていきましょう。

まとめ

新たな販売手法として注目を集めるライブコマースですが、隙をついた詐欺の事例は残念ながらあります。ライブコマースで気持ちよく取引をするためには、リスナーとライバー双方の努力が不可欠です。過去の事例から学び、来るべきライブコマースの時代に備えておきましょう。

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