ライブコマースは、商品の販売方法の一つです。最近では個人でも手軽に始めやすくなりましたが、「こんなに簡単に始めていいの?」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。この記事ではそう感じている人のために、ライブコマースをする上で関わってくる法律について紹介します。知らなくてもライブコマースはできますが、知っておけば安心して取り組むことができます。
日本では、ライブコマースに特化した法律はありません。しかし、商品の売買に関する既存の法律を守って行う必要があります。ここでは、どのような法律があるのか、その概要を見ていきましょう。
インターネットや電話、訪問での販売などについて、消費者の利益を守るための法律です。広告の表示についてのルールや誇大広告等の禁止などが定められています。購入について記載しなければならない事項が定められているため、プラットフォームなどでライブコマースを行う場合も一度は目を通しておくと安心です。
表示による返品や契約の取り消しなどについても定められているため、誤解を招くような表示をしないことが大切です。また、理由がなくても契約から8日以内であれば契約の撤回ができ、送料は消費者負担で返品ができるというルールもあります。販売者としてだけでなく消費者としても、インターネットを利用して買い物をするなら理解しておきたい法律です。
消費者がより安心して商品やサービスを選ぶことができるように、不当な表示や過剰な景品を規制するための法律です。「購入者にプレゼント」といったキャンペーンはよく見かけますし、それ自体は悪いことではありません。ただし、景品で釣って質の悪い商品を買わせるようなことを防ぐために、過剰な景品は制限されています。また、実際の商品より過剰に良いものと見せるための表示や、実際は他の商品と同等であるにもかかわらず効果や成分などが優れているように見える表示も、不当表示として禁止されています。
薬や医療機器、化粧品などは、人体への影響が大きなものであるため、製造・販売・広告についてのルールを定めた法律が「薬機法」です。正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます。コスメや美容はライブコマースと相性が良く、興味のある人も多い分野です。しかし、挑戦する前に薬機法に触れないか確認し、注意することや禁止されていることを理解しておきましょう。
ライブコマースの先進国である中国では、2021年に「ライブコマース管理弁法」が施行されました。以下の4者を対象とした法律です。
ライブコマースは新しい販売方法であるため、従来は特化した法律はありませんでした。中国ではライブコマースは広く浸透し、影響力の強いものとなったことがうかがえます。
日本においては、ライブコマースはまだ十分に浸透したとはいえません。しかし、今後の広がりによっては法整備が行われる可能性もあるため、情報収集のアンテナを張っておきましょう。
手軽に挑戦できるライブコマースですが、商品を販売してお金を受け取る以上、相応の責任は発生します。トラブルとなる可能性もあるため、ライブコマースを始める前には法律のことも知っておきましょう。知識を持っていることは自分を守ることにも繋がります。また、自分がリスナーとしてライブコマースを利用する場合や、インターネット上での買い物の際にも役立ちます。この記事を読んで「自分は大丈夫かな…」と感じたら、ぜひ調べてみてください。