若い世代を中心に、ライブ配信アプリや動画配信アプリが人気となっています。そのため、ライブコマースも若い世代に人気のあるイメージを持つ人が多いでしょう。そのイメージが正しいのか、実際に行われた調査から探ってみると、意外なことがわかってきました。この記事では、ライブコマースがどの世代に人気なのかを調査データから読み解きます。
実際に行われた調査から、ライブコマースへの関心の高さや利用率について探ってみましょう。以下の調査を参考にしています。
MMD研究所の調査では、ライブコマースについて「まったく知らない」人が56.8%と過半数を占めています。「視聴したことがある」という人は12.7%であり、このうち「商品を購入したことがある」という人は5.8%にとどまりました。
これとは別に、KDD総合研究所R&Aの調査でも、ライブコマースで「何かしら商品を購入したことがある」という人は2.8%という結果が出ています。いずれも1ケタ台で、ライブコマースはまだまだ浸透していないことがわかります。
MMD研究所の調査結果に話を戻すと、ライブコマースのことを知っている人の中で「利用したい」という人は全体で見ると8.2%、「やや利用したい」は14.9%となっています。年代別で見ると30代で「利用したい」12.7%、「やや利用したい」16.6%で合計29.3%の人が前向きにとらえています。20代は「利用したい」8.4%、「やや利用したい」21.5%で合計29.9%、10代は「利用したい」9.1%、「やや利用したい」20.5%で合計29.6%と、10代から30代ではおよそ3割が前向きにとらえています。
実際の利用率について年代別に見てみましょう。KDDI総合研究所R&Aの調査結果では、ライブコマースで商品を購入したことがある人の率は以下のようになっています。
男性の利用率を見ると20代から50代まで同水準となっています。また、女性の利用率は40代が2.4%と最も低くなっていますが、50代、60代と年齢層が上がると利用率も上がっていることが読み取れます。
なお、このアンケートは世帯単位で行っているため、実際の利用者と回答者である世帯主の意識が乖離しないように、この設問は単身者のみを対象としています。
これらのデータから、以下のことが読み取れます。
ライブコマース自体の認知度はまだ低いものの、幅広い年代の人に利用されているという意外な結果がわかりました。若い世代に人気のイメージのあるライブコマースですが、実際の利用率はどの年代・性別でも2~4%と同程度であり、意外な結果となりました。
現在、アパレルブランドや化粧品メーカーなどをはじめとした、大手企業のライブコマース参入が増えています。また、ライブコマースを利用して地域を盛り上げる、特産品の紹介・販売やオンラインツアーなども登場しています。消費者へ向けたいろいろな取り組みが行われている現状です。
利用や購入だけでなく、販売側としての参加のハードルも低くなってきました。企業や事業者向けのライブコマースのサービスも多く登場しています。ライブコマースのできるアプリも増えてきており、個人でもライブコマースを手軽に始められる環境が整ってきています。
購入・販売ともに、ライブコマースに触れる機会は確実に増えています。ライブコマースは今後もさらに身近なものとなっていくでしょう。
ライブコマースの利用率は、若い人ほど高いとは限らないという、意外な結果がわかりました。これはライブコマースで商品を販売する立場でターゲット層を考える際に、大いに役立つ結果と言えます。今後の広がりにも期待して、ぜひライブコマースを利用した販売を考えてみましょう。